いきなり暗い話で申し訳ありませんが、
今、日本の自殺者数は何人かご存知ですか?
厚生労働省自殺対策推進室によると
2021年の自殺者数は2万1,007人でした。
毎日60人弱が自殺している計算です。
ニュースでよく報道されるのは
若い子が学校でイジメられて・・・
みたいな内容ですが、実際には、
高齢者の自殺が多いんです。
生活費を稼ぐためだけに
仕事をするのはしんどい・・・
ということで命を絶たれる方が
多いという事実を知ってください。
そして、みなさんの祖父母は、
年金をいくらもらっているのか
ご存知でしょうか?
20歳から60歳までのすべての
日本国民が加入する国民年金。
会社員や公務員が入る厚生年金。
自営業であれば国民年金だけが支払われ、
会社員や公務員であれば国民年金に
上乗せする形で厚生年金が支払われますよね。
国民年金は40年間、満額の保険料を
払っていれば、1年で受け取れる年金額は
2021年度で78万0,900円。
仮に保険料の支払期間が30年であれば
年金額は4分の3に、
20年であれば2分の1になります。
一方、厚生年金の場合は国民年金とは
異なり、給与や賞与によって
将来受け取れる年金額は変わります。
厚生労働省『令和2年度厚生年金保険・
国民年金事業の概況』によると、
国民年金の平均年金受給額は
月額5万6,358円、
厚生年金の平均受給額は
月額14万6,145円でした。
受取金額の分布をみていくと、
国民年金は「6万~7万未満」が44.6%、
「5万~6万未満」と合わせると7割近く。
一方で約4%、数にして130万人近くの人が
「3万円未満」です。
厚生年金では、「15万円以上」が46%。
「10万円以上」を加えると、約8割。
一方で2.6%、数にして40万人近くが
「5万円未満」です。
田舎で超質素な生活ならできますが、
年金だけで生活できないから、
働いている高齢者が多いわけですよね。
だから、数年前から、
「自助努力しましょう」とか
「投資しましょう」ということを
よく耳にするわけです。
保険会社があれだけCMする時代ですから
「社会保障は自分で作りましょう」
というメッセージでもあります。
実際、すべての人が思うように
貯蓄を進められるかといえば
そうではないから毎年、
高齢者の自殺者が後を絶たないわけです。
65歳を超えて、生きていくためだけに、
何十年も仕事できるわけがありません。
年金だけでは暮らせない場合、
「生活保護」の選択肢があります。
厚労省『令和2年度被保護者調査』によると
生活保護を受けている被保護世帯は
161万6884世帯、
被保護人員は202万6730人。
そのうち65歳以上は105万4,581万人です。
年金受取額の分布から考えると、
もっと多くの高齢者が生活保護の
対象になりそうですが、生活が苦しければ
生活保護を受けられるわけではありません。
まず生活保護を受けるためには
「働けない」状態でなければいけません。
就労によって収入を得ることが
困難であることが客観的に判断されます。
70歳定年に向けて動き出している昨今、
病気やケガをして働けない状態でない限り、
「高齢者=働けない」とは判断されないでしょう。
ちなみに、厚労省の「財政検証」は、
2040年の年金受給額は15%前後目減りし、
2060年には30%ほど目減りする予想です。
若いみなさんは、まだ、
「年金」とか「老後」とか言われても
ピンと来ないかもしれませんが、
ご自身の両親はどうでしょうか?
老後に向けて、きちんと、
蓄えをしていそうでしょうか?
病気になっても医療費を
まかなえそうでしょうか?
大袈裟かもしれませんが、
本当は親がずっとお金のことで
苦労していて、万が一、
親が自殺でもしたら、
一生、自分のことを
恨んでしまうかもしれません。
お金と時間に余裕がなければ、
人は簡単に理性を失ってしまうものです。
終始、重たい話題になってしまいましたが
ビビらせたいわけではなく、
現実を知ってほしいので書きました。
でも、まだまだ把握しておくべきことは
たくさんあります。
以下も、またお時間があるときに、
併せて読んでみてください。