厚生労働省が発表した2021年の
人口動態統計によると、
1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す
合計特殊出生率は1.30と
6年連続で低下しました。
出生率が下がる大きな要因として、
若い世代の子どもを持ちたいという
意欲が減退していることがあるようです。
少子化に歯止めをかけるには、
女性の賃金水準が低く、家庭のなかで、
家事・育児の負担を背負う状況を
解消することが欠かせません。
婚姻率は、新型コロナウイルス禍で、
出会いの場が減ったことが拍車をかけ、
低下し続けています。
日本は結婚して出産する人が大多数であり、
未婚化は密接に少子化と結びついています。
同統計によると、人口1000人に対する
婚姻率は19年に4.8だったが、
20年に4.3、21年は4.1まで落ちました。
さらに「子どもを持ちたい」という
意欲も低下しているとのことです。
一方、未婚女性で、
「結婚せず仕事を続ける」と答える人は
増え続けているようです。
「結婚しても子どもを持たずに仕事を続ける」
とあわせると25%。
日本総合研究所の藤波匠・上席主任研究員は
「未婚女性の4人に1人が
『出産する人生を想像できない』
と考えていることを示す」と指摘しています。
15年の出生動向基本調査では、
妻が30~34歳の夫婦が理想の
子ども数を持たない理由として
「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」
と答えた例が8割に達します。
また、日本の女性が家事・育児に割く
時間は男性の5・5倍だそうです。
女性が産休や育児で会社を一時的に
離れると昇進できなかったり、
キャリアアップできず、低賃金になる、
というのは残念ながらよくあることです。
そこで、今後、
女性活躍推進法に関する省令改正で
大企業は賃金格差の情報開示が
求められるようになります。
魅力的な働き方を提示できない会社は
女性から選ばれなくなるでしょうね。
米国やフィンランドではコロナ禍でも
21年の出生率が前年から上昇したようです。
出生率が0.84と深刻な状況に陥っている
韓国も「子育てにお金がかかり過ぎる」
状況を重く見て、22年から0~1歳児の
親に月30万ウォン(約3万円)の
手当を支給し、25年までに
50万ウォン(約5万円)に拡大する予定です。
一方で、日本は人口動態統計で世代別の
出生率をみると、現在20代後半の女性の
出生率は0.53だそうです。
社会・政治的には女性が置かれた不利な
環境の改善を急ぐ必要がありますが、
国や会社頼みの働き方では、
何も現状は変わりそうにありません。
結婚したとしても、女性の収入は
200万円未満の人が多いようです。
自己責任の時代。
自分でお金と時間のバランスを整えていく
働き方をしていく必要がありますね。
END