一部、ご紹介します。
『かなり以前のことだが、その頃、
売れっ子だったテレビタレントが言った。「おかげさまでひと月売れっ放しで、
休むひまもありません。
忙しくて忙しくて…」
得意満面の顔付きだった。
「それはおめでとう。よかったですね。
しかし忙しくて休む暇もないのは良くない。
一つは健康を損ねる危険があること。
もう一つは次の飛躍への準備ができないこと」
「人間はひと月のうち、働くのは、
せいぜい20日か25日でいい。
あとの五日なり一週間なりは、
運動して身体を鍛えたり、
読書して知識を注入したり、
人と意見をかわしたり、ぶらりと、
旅に出て自然の風物に接したりして、
何か新しい発想や発見に当てることですね」
「そんな時間はとれそうもないので…」
忙しいと言いつづけているうちに、
同種の若いタレントに座を譲り、
そのタレントも変わった若手の出現で
人気をうばわれてしまい、数年の後には、
忠告した彼の姿は完全にテレビから姿を消し
もはや人の記憶の外の人となってしまった。
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早く開いて早く散る。
早咲き人間の悲劇ですね。
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木を大きく高く伸ばすためには
深く根を張る必要があるのに
根を張る時間を確保しなかったわけですね。
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根がしっかり張れていたら
ちょっとしたことで揺らがないですよ。
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SNSではキラキラしてるのに
喋ってみたら中身スカスカな人って、
根を張っていないんだと思います。
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現代人でも残業し続ける人が
1番危ないのは勉強する習慣が
なくなってしまうことなんですよね。
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「早咲き」で、前半生、いくら、
華々しい活躍をしたとしても
後半に失速してしまっては残念ながら、
愚痴や泣き言の多い寂しい人生となります。
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逆に、前半生が、パッとしなくても
後半に花が咲く「遅咲き」の人生なら、
末広がりの面白くて楽しい人生になります。
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焦ることはありません。
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じっくりと自分の内面を磨き、
人間性を高め、精神を修養することです。
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・
先日、歌手のプロデュースなどを行う
事業家の方とそのプロデューサーを
育てたプロデューサーの方の
トークライブに参加していました。
・
事業で成功したいと思っていた
駆け出し時代はサラリーマンの仕事が忙しくて
毎日、仕事が終わるのは日付が回り、
翌日は5時に起きていたそうです。
毎日クタクタで睡眠時間も3時間ほどで
会社で寝泊まりすることも多かったようです。
・
そんな時に、成功したいプロデューサーは、
成功しているプロデューサーに状況を説明し
相談するとこう言われたそうです。
・
「仕事が終わってからオレのとこらへ学びに来い」
・
・
「いや、睡眠時間もままならないのに、
この状況で勉強しろと言うんですか!」
しかも、少しキレ気味で。
相談したにもかかわらず、
冷たいと思ったんですね。
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そんなことがあったよな~と当時のことを
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「振り返ると、あの時に寝る間を
惜しんで学びに行っていなかったら
今の自分はないと思います」
とも、言っておられました。
・
そして、
「自分は未熟だったから、
後になってわかることがとても多かった。
冷たく感じるアドバイスは
自分が容認していないからだったと思う。
冷たいと感じるアドバイスの方が正解」と。
・
トークライブの中で、
師匠プロデューサーの方に質問がありました。
「よくあそこで、毎日クタクタな人に
「学びに来い」と言えましたね」って。
・
そしたら、師匠プロデューサーの方は
こう言ったんです。
・
「情と優しさは違う。
学ばずに成功はない。
学ばずに成功できるなら言っていない。」
と。痺れました。
・
自分に自信がないと、
なかなか言えないと思います。
・
でも、ぼくにもそれを言える自信があります。
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ぼくは学生のときに15年間野球をやってきて
ずっとキャプテンだったので、社会人の今でも、
誰と仕事してもキャプテンシーが出ます。
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早く結果を出せる人だけを評価しないで
結果を出すのが遅くても、コツコツと、
地道に目立たなくても継続してくれる
人にも感謝し、彼らが自信を持てるような
言葉をかけてあげることでバランスのいい
チームができると思っています。
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コツコツと続けてきた自分に誇りを
持ってほしいし、地道に続けてきた人のほうが
絶対に強くて人の痛みもわかる。
・
そして、そういう人がまたリーダーシップを
取れる人になっていく可能性があると思います。
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ぼくは大きな心で早い人も遅い人も
受け入れることを自分と約束しました。
・
それができる人がリーダーだと思うからです。
・
「事業で成功」なんて大きな話じゃなくても
成長しようと思うならば、やるべきことはあるし
避けて通れない道があります。
・
不安、孤独、恐れ、悲しみ、悔しさなど
今まで向き合ってこなかった痛みを伴います。
・
・
てか、辛いとわかってるから大多数の人は
避けて通ろうとすると思うんですけど
この人生の筋肉痛をを避けて通ろうとする人は
いつまでも自分が好きになれないんですよね。
・
ぼくはリーダーとして
その辛いとわかっていることなのに、
経験させようとするのは、
自分だけは絶対に裏切らない!寄り添う!
と決断しているからです。
だから、「やってみなよ!」って言い切れます。
・
人を喜ばせるには勇気が必要です。
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そして、その勇気は自己犠牲も伴うので
常に試されます。
・
相手をどこまで受け入れられるか
覚悟が問われているんです。
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信じることが簡単じゃないことも
信じることには勇気や覚悟が必要なことも
知ってるからこそ、信じてくれてる人だけは
絶対裏切れないし絶対大切にしたい、
ぼくはそう思っています。
・
END