世の中には、我が子をうまく愛せず
苦しむ親もいらっしゃいます。
我が子が、自分のいうことを
どうしても聞いてくれない、
期待通りに動いてくれない
と悲しむあまり、
愛が憎しみに裏返ってしまう、
という例だって少なくありません。
でも、たとえとのような場合でも、
子どもを無理に愛するのではなく、
まず理解しすることなら
できるのではないでしょうか。
聞き分けのない子に対しても、
その子がなぜそう振る舞うのかを
じっくり観察し、その理由を
粘り強く考えてみれば、
案外、子どもにも子どもなりの
行動原理があることが
見えてくるかもしれません。
動物相手だとわかりやすいかな。
猫には猫の行動原理があり、
犬には犬の行動原理があります。
同じ犬という動物でも、個体が違えば、
それぞれ考え方の違いや癖があり、
それらを理解した上で
付き合うのとそうでないのとでは、
築ける関係が変わってきます。
人を信じるってなんでしょうか?
たとえば“信じる”の定義を
「この人は、こうしてくれるはず」
だとしたら、“裏切られる”というのは
「この人が、そんなことをするなんて」
ということになります。
でも、それって、自分の期待通りに
ならなかっただけです。
そう考えると、世の中、
勝手に期待して勝手にキレている人や
勝手に失望している人が多いですね。
他人の気持ちは簡単には知れないし、
わからないものです。
『新世紀エヴァンゲリオン』には
そのことをちゃんと教えてくれる
シーンがあります。
このアニメの中には碇シンジ君
という男の子が出てきます。
彼はお父さんのことが好きです。
ところがこのお父さんはこわいです。
すぐに怒って、「帰れ!」といって
シンジ君を追い返してしまいます。
そうしたらもう、碇シンジ君は
いきなりヘコんで、父さんについて
愚痴をいいはじめます。
父さんがいったいなにを
考えてるかわからない!
どうせぼくのことなんか
わかっちゃくれないんだ!
すると、側にいた綾波レイちゃん
という女の子が碇シンジ君に質問します。
「あなたはわかろうとしたの?
伝えようとしたの?」
そうしたら碇シンジ君は、
「そんなの関係ないよ!」
といってしまうんです。
関係なくないですね。
関係おおアリです。
人の心はわからないんです。
わからないから、どうしても、
「わかる努力」と「伝える努力」が
必要で、しかもそれは、
お互いにやらなきゃいけません。
信頼関係って本当に大事です。
でもお互いに我慢をしたり、
無理をしたりするのは、
信頼でもなんでもありません。
ただの束縛です。
「受け入れる」
「見捨てない」
この覚悟を持っている人が
「愛がある人」なんだと僕は思います。
どんなに伝えようと思っても、
伝わらないときはあります。
相手の立場にお互いが立っていないからです。
相手の立場に立てば簡単な話を、
自分の立場からしか考えないから
関係がおかしくなっていくんですよね。
それでも「何があっても見捨てない」
という覚悟があれば、
改善のための努力をします。
いつでも「さよなら」する気でいたら、
いつまでたっても「縁」や
「繋がり」はできません。
本当に信頼している人は「信じる」とか
「疑う」とか考えません。
恋愛でいうと「浮気するんじゃないか?」
って考えている人は信頼していないんですよ。
別れるという選択肢を常に用意している人は
本気で理解しようとしていませんからね。
でも、受け入れるとか、わかる努力、
伝える努力とか、見捨てないことを
覚悟している人はぶつかり合っても
話し合いを放棄しないはずです。
相手を想像する力が足りないと、
相手が悪い人に見えて、
自分の正義ばかりを主張してしまいます。
子育てしているお母さんの気持ち、
夜遅くまで働くお父さんの気持ち、
緊張しながらも頑張る新人の気持ち、
大きな責任を背負っていながら
いつも笑顔でいる社長の気持ち、
言いたくないことを言ってくれる
先輩の気持ち・・・
相手を想像することが大事です。
「わかる努力」と「伝える努力」、
ぼくももっと意識していきます。
愛情が押し付けになってはいけない
END