F1レーサーの感動する話

彼はある米国のレースで車と一緒に
炎に包まれたことがあります。

ガソリンタンクの蓋がちゃんと
締まっていなかったために
走行中の激しい振動で
蓋が吹き飛んでしまいました。

そして燃料が車と身体にかかり、
発火してしまったのです。

彼は普段冷静沈着なのですが、
炎に包まれた中ではさすがに
シートベルトを外して、
ハンドルを抜いて出る、
そんな簡単なことも出来ませんでした。

炎が消し止められた時、
真っ黒になった両手のグローブを
外そうとしたら手の皮も一緒に
はがれてしまったそうです。

その後もしばらく火傷の激しい
痛さで苦しんだそうです。

チームメンバーはみんな落ち込んで、
あわせる顔もありませんでした。

彼が命を落としていたかもしれないからです。

しかし、戻ってきた
中野信治さんはこう言いました。

「次のレースはこのメンバーで絶対に勝とう」

その一言がきっかけでチームは
みんな感動したそうです。

「自分たちが彼の命を奪ってしまっていたかもしれないのに、それでも自分たちを信じ切ってくれている」と。

中野信治さんは言います。

「人を信じることができなければ、
チームはできない」